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中学教育の特長
人間は生まれてから3歳までの間に飛躍的な成長を遂げます。これに匹敵するほどの成長を見せる重要な時期は、中学校の3年間ではないかとわたしたちは考えます。
そんな中学生時代を本校の生徒はどう過ごしているのか、語らせてください
一緒に笑ったり泣いたりして3年間をともに歩む
公立中学校には同じ小学校を卒業した生徒が多くいるのに対し、本校に入学する生徒は知らない人ばかりいる教室で1から人間関係を築いていきます。生徒にのしかかる労力の大きさは想像に難くありません。さらに中学生になると親への反抗心が芽生えたり、「自分とは何か」と自分自身を突き詰めて考えるようになります。友達との関係がぎくしゃくしたり、本当に言いたいことが大多数の意見に飲み込まれそうになったりと、生徒は多くの失敗や苦い経験を学校で積み重ねます。その一つひとつに担任は寄り添い、一緒に笑ったり泣いたりして3年間をともに歩みます。
するとどうなるのでしょうか。
生徒と教師の結びつきは強くなり、固い絆で結ばれていきます。 学校パンフレットにこそ載りませんが、本校には毎年行われているすてきな催しがあります。それは中学校の卒業生が二十歳を迎えた年に、その学年の全生徒が集まり、学年担当だった教師を招いて行う成人式です。ある年には生徒の保護者までもが全員加わって成長を祝い合いました。
「中学生のとき先生に言われたことが今やっと分かったよ」と穏やかな表情で語る卒業生たち。立派に成長した彼らの姿は、生徒と真剣に向き合った日々の先にある“答”のようなものであり、教師は「どれほどの悪態をつかれようとも、生徒がどんな大人になってほしいかを考え、叱る必要があれば本気で叱ろう」と揺るぎない覚悟を得られるのです。 わたしたちは生徒一人ひとりを愛し、愛するがゆえ本気で叱ります。
横のつながりだけでなく、縦のつながりが強い
横のつながりだけでなく、縦のつながりが強いことも本校の大きな魅力です。 生徒は縦割り班で多くの行事に取り組みます。プレゼン入試や英語入試を行っていることもあり、本校にはさまざまな得意分野を持つ生徒がいます。そうした生徒が顔を合わせ、先輩が後輩にタブレットの使い方を教えるなど、協力しながら同じ目的のために動きます。先輩は威張ることなく後輩に接し、後輩は先輩から受けた優しさを新しい後輩に引き継ぎます。
するとどうなるのでしょうか。
学年を超えて生徒は仲がよくなります。また、一芸に秀でた後輩に触発されて先輩が奮起したり、年下であろうと相手の優れたところをすごいと認められるようになったりします。
そして迎える卒業式。本校の伝統で、式典では在校生が歌を歌って卒業生を見送ります。このとき多くの3年生は男女を問わず涙を流します。これを見ている1・2年生は不思議に思い、「卒業しても先輩は隣の校舎に移るだけなのに、どうして涙を流すのだろう」と首をかしげますが、この涙の本当の理由を自分たちもやがて知るのです。今ここにいる自分の存在が多くの人に支えられているものであることに気づく、その心の成長の証を、わたしたちは毎年卒業式で、その誇らしげな生徒の姿に見てとれるのです。
タブレットを学びに活用
全生徒が持つタブレットを学びに活用している本校の教師は、これまで理想としていた教育に踏み込めるかもしれないと意欲に燃えています。いっぽうで、いくらICT機器を使いこなせるようになっても、大切なことは自分の頭で考え、自分の言葉で想いを伝え、為すべきことを果たせる力を身につけることだということも忘れません。